活性化Tリンパ球療法
活性化Tリンパ球療法とは?
活性化Tリンパ球療法は、血液から採取したリンパ球を体の外で増殖、活性化させ、主に静脈を通して体内に戻すことで、がんを攻撃することが期待される治療法です。免疫細胞治療の草創期1970年代にすでに行われていた治療法であり、年数を経て、細胞培養技術の発展とともに進化してきた免疫細胞療法です。
当院で活性化されたリンパ球数は多い場合は100億個以上に達します。その90パーセント以上がTリンパ球であり、NK細胞も数パーセント含まれています。
なお、一部、血液系の感染症患者さま(成人T細胞白血病、AIDS/HIV)では適応が難しい場合がありますのでご相談ください。
活性化Tリンパ球療法の特徴
- 体内にあるTリンパ球は元来、がん細胞を発見し攻撃を仕掛ける能力を持っています。培養して活性化されたTリンパ球は数千倍に増殖し、強い攻撃力を発揮します。
- 一部、Tリンパ球は樹状細胞から情報を受け取ることで、活性化、増殖し、特に目印を持つがん細胞に対し、攻撃を仕掛ける能力を持ちます。
- 患者さま自身のTリンパ球を使用するため、副作用はほとんどありません。
- 転移しているがんや再発予防に効果が期待できます。
Tリンパ球の働き
リンパ球は体内の白血球のうち20~40%を占め、Tリンパ球、Bリンパ球、NK細胞などの種類に分類されます。そのうちTリンパ球は、体内にある樹状細胞やヘルパーTリンパ球からの指令を受け、がん細胞やウイルス等を直接攻撃します。
指令を受けたTリンパ球は同じ機能を持ったTリンパ球を増殖し、がん細胞を攻撃する環境を整えます。
活性化Tリンパ球療法の進め方
1. 活性化Tリンパ球の元となるリンパ球を採取するために、約25ml採血します。
2. 採取したリンパ球を培養し、増殖させます。
3. 採血から2週間後に点滴にて投与します。
※治療を繰り返し行う場合は、次回投与分の採血も併せて行います。
※問診、活性化Tリンパ球の点滴などに掛かる時間は1時間程度です。
4. 治療開始より3ヵ月前後を目途に治療内容について再度検討します。