ウクライン点滴療法
ウクラインとは
ウクラインとは、クサノオウから抽出した有機化合物(アルカロイド)に抗ガン剤であるチオテパを化学的に結合させたもので、様々ながんの治療に用いられます。
クサノオウはケシ科の植物で、1536年に出版された医療用の本に抗腫瘍作用のある薬草として記載されています。
ヨーロッパの一部、メキシコ、アラブ首長国連邦ではがんの化学療法薬として、アメリカ、オーストリアでは膵臓がんに対する稀少疾病用医薬品として認可されています。
また、22ヶ国、58研究機関で研究され、約200編の科学論文が発表されています。
ウクラインの特徴
- 投与から数分でがん細胞に集積
- 正常細胞に影響がない
- 投与許容量(TI)が1250と高く副作用が少ない(通常の化学療法剤は1.4~1.8)
- 低用量で免疫機能の活性化
- 血液脳関門を通過する
- チューブリンの重合を阻害
- DNA、RNAの蛋白合成阻害
- がん細胞分裂をG2/M期で停止
- 血管新生阻害作用
- 耐性に関する報告はない
- 自己蛍光発色作用
ウクラインの注意点
時に吐き気、倦怠感、発熱、腫瘍痛が生じるが、腫瘍の壊死に伴う反応であると言われている。なお、腫瘍出血は膵臓がんの事例が報告されている。